LOOPERS完走した感想 ネタバレ有



他のKey作品のネタバレは基本的には無いです。

①プロローグ
タイラと謎の少女(どう考えてもミア)の病室のシーンがメインですね。
謎の少女が何か病気であることを最初に明らかにしています。
これによってミアは何か大病を患っており
「不安な明日」よりも「元気でいられる今日」を選ぶのではないかというのを予想しました。
ミアは時の渦では元気な様子ですしね。
その予想は大当たりで終盤にそのエピソードが語られることになります。

冒頭の絵本のエピソードも意味深ですよね。
宝物を誰かに託して、それが繰り返されると願いが成就される。
でも、自分の元へ返ってくるとそのおまじないが消えてしまう。
プラスだけではなくマイナスの要素があるのが不安な感じがしましたが、
終盤ではむしろこのマイナスの要素が唯一の希望となることになります。

タイラがこの時にミアに渡した恐竜消しゴムも終盤で生きてくることになりますね。
このプロローグの伏線が終盤で回収されるのは見事な作りだったと思います。


②幼馴染の再会と深夜の宝探し
タイラとヒルダ・レオナとの再会と夜の宝探しがメインのお話ですね。
ここからようやく本編開始
宝探しバカのタイラ と ガチビビリするヒルダ と からかい上手のレオナ の
3人組は最初は戸惑いましたが、
今になって思えばとても楽しいシーンだったと思いましたね。

同じ小学校で深い交流こそ無かったものの、
タイラのぶっ飛んだエピソードの身内ネタで盛り上がってる感じが
見ていてとても楽しかったです。

そして、宝探しの最中では「探し女」という怪奇現象と遭遇します。
ここのシーンは夜にプレイしていたこともあって
けっこう怖かったですね。
こういうホラー演出は竜騎士07の味が出てるなぁと思いました。
そして、このシーン以降探し女はあまり出てこないのですが、
このゲームにおいてとても重要であることは疑いようがないですね。
単純なビックリ演出ではなさそうです。


③不可解な現象と謎の少女
急にブチぎれるレオナと、
サイモン、ミアとの初対面ですね。

ブチぎれレオナは最初わけがわからなくて
恐怖とかよりも困惑しましたね。

頭突きで倒れて救急車で運ばれるあたりとかも
ギャグ……?って思いました。

鉄アレイを投げつけてくるサイモンいったい何……?

病気持ちなのにドロップキックを決められるミアはすごいと思います。


④『探し女』と狂気に陥る思考
ここもTHE竜騎士07という感じがしますね。
ヒルダ視点で何が何やらよくわからなくなって、
ヒルダの主観の正しさすら疑わしい描写になっています。

日常が徐々に怪異に浸食されていく感じは
ゾクゾクして良かったですね。


⑤巻き戻った時と囚われた魂
ここでようやく1日がループしていることがわかるのですが、
だいぶ冗長に感じた記憶がありますね……。
プレイヤー目線ではループしてるなんて、
発売前から知っているわけですから。

キーキャラクターと思われたレオナがここで退場してしまうのが意外でした。
本気でこのまま最後まで退場しないのだと思っていました。


⑥時の渦とルーパーズ
ようやくルーパーズが登場しましたね。
LOOPERSというタイトルなのにここまでだいぶ時間かかりましたが。
リタポンとホリーはともかく
筋肉馬鹿っぽいジョウが元気を無くしてるのは意外でしたが、
後から理由を聞くと納得する理由がありましたね。

リタポンの驚き顔結構好きです。

時の渦というファンタジーな要素が登場して
原因も解決法もふわふわしてよく分かっていないのですが
これが完全なファンタジーとして扱うのか
もしくは人為的に起こされた人災だったりするのか
それとも、実はループしてなくて……VRの仮想世界とか
(思考が停止するととりあえず仮想世界に頼りがち)
色々考えていたんですけど、
ファンタジーではありつつも、
終盤では理屈で説明されていましたね。
ミアが引き起こしたものであり
1日を繰り返したいと願う人が巻き込まれる……みたいな感じらしいですね。


⑦豪遊の興奮と冷め切った心
ループ世界の楽しさを満喫するチャプターですね。
テンションを上げまくって
狂喜してハイタッチするタイラとヒルダがかわいい

後でわかるんですが
ヒルダは実はこの世界に対する不安があって、
でもタイラに合わせてふざけてるんですよね。
ヒルダかなり良いキャラだと思います。

探検戦隊ハンターレンジャーのバッチをたくさん持ってて
家に余りがあるサイモン推せますね……!

焼肉で興奮するタイラとヒルダがLOOPERSで一番好きかもしれないです。
セリフ回しにいちいち竜騎士07みを感じるところでもありますね。
「俺は網の上で肉を焼いているのか、万札を焼いているのかぁ!!」
「目を¥マークにしながら肉を食べる人、初めて見ました」
そして、お財布の金額が無限にあるわけではないという事に気づく
予想通りの展開ですねw

そして、頼りになるサイモン。
困ったらサイモンに頼れば何とかしてくれるっぽいというのがここでわかりますね。
なんとなくリトバスの恭介ポジションのような気がします。

サイモンの財布で豪遊して
ミアにゴスロリを着せて興奮するシーンとか
まさに竜騎士07らしいですねw
どうして竜騎士はこういうシーンを入れたがるのか……

ただ、望月けいさんの素晴らしいイラストはとてもとても良かったですね!


⑧宝探しと観覧車越しの花火
ミアが可愛すぎるチャプターですね。
同じ一日を繰り返すことに飽きていたミアを楽しませる手段が
宝探しと言うのがなんともタイラらしいですね。

お金を使う楽しみ方しかしてこなかったミアが
お金を使わず自分の足と知力だけで楽しむ宝探しに興奮するというのは
良い展開でしたね。
観覧車と花火を見るシーンは綺麗で良かったですね。

宝探しで興奮するミアが可愛いです。
ふぉぉぉぉ……!

そして、この観覧車は物語上であと2回も重要な場所として
登場するんですよねぇ……

そして、ここまでが体験版の内容でここからが製品版の内容です


⑨ミアの願いとルーパーズの仲間
タイラを師匠と呼ぶミアが可愛いですねぇ。
タイラとミアを応援するヒルダも良いキャラしてます。

他の仲間たちもミアと同様に1チャプターずつやるのかと思ったのですが
3人一気に元気づけることになりましたね。

「あれ……?
 筋トレをいくらしても……、意味が……、ない……?」
さすが筋肉担当。
素晴らしい脳筋っぷりですね!

聖地巡礼してテンションがブチ上がるリタポン良いキャラしてますねぇ。
ゴーゴープイプイってプイプイモルカー意識ですかね?
放送開始と開発期間的には微妙な所ですが。
ネタをドラえもんに寄せることで
プレイヤーにも馴染み深くしてるのが良いですね。
竜騎士07はオタクキャラを自然に書くのが上手いです。
いつもの口調じゃなくなってるのも面白いです。

宝探しで元気づけるというとどんな「宝物」を用意するのかというのを
考えていたんですが、
宝探しで探す過程で元気づけるというのは盲点でした。
タイラも言う通り宝を探す過程が大事なんだというのを
ここで僕も理解しましたね。

ジョウとホリーとリタポンは個人の掘り下げは
そこまで深くないですし……。
1人1人にルートが望まれますね。
そうしたら値段も相応の値段になってきますが。


⑩繰り返す時と眠り続ける親友
ヒルダとレオナのチャプターその1
この二人の親友エピソード良いですよねぇ。

レオナが一人で時の渦に飲み込まれていたころ
ヒルダがいなくて退屈してしまったというのと

ヒルダもレオナに早く起きて欲しいと、
互いを思い合っているのがわかって良かったです

ループ回数がどんどん増えていくのは
今までになかった演出で良かったですね。
どんどんヒルダが挫けそうになっていく過程が良かったです。


⑪タイムカプセルと一つの奇跡
「処女作を見せつけられると作者は恥ずかしくて爆死(爆死?)するんだよなぁ……」というのを最近考えていた僕にとっては
とてもタイムリーなエピソードでした

タイムカプセルを掘り返すというのは
今までありそうでなかったエピソードだったので良かったですね。

昔はレオナは勉強を頑張っていて
そのせいでヒルダとあまり仲良くできなくて
仲違いしたと思ったまま卒業してしまって
それを後悔しているのを読んでいるシーンとかすごく良かったですね。

一度自殺をしようとしたレオナを
浴室でヒルダが血まみれになりながら取っ組み合いになって止めたというのも
すごくぶっ飛んだ話ですがとても良かったですね。

「おいおい、頑張るって漢字で書いてあるぞ?! こいつ神童かよ……」

そして、ヒルダがレオナのを読んでいる途中に
レオナが目を覚ますというシーンも
予測可能予想可能だったんですけど感動しましたねぇ。
こういうストレートな感動シーンはKey作品って感じがしますね。

シーソーのシーンは……うん。

そして、唐突に告げられた時の渦の終わり。
ですが、まだミアのエピソードをやっていませんし
このまま素直に物語が終わるとは思えません。


⑫秘めた想いと最後の花火
昔の情熱を取り戻して、周囲に受けるかどうかわからないけどやりたいことをやるために
再びペンを執ったリタポンの表情が好きです。

戻った後馬券を買おうとするヒルダとレオナが可愛かったですねぇ。
この2人の絆は最初から最後までしっかりと描かれていてとても良かったです。

みんな思い思いでこの世界の最後を迎えようとしていますね。
ただ、もうちょっとループ世界の辛さとか楽しみを味わっていたかったですね。
もうこの世界も終わってしまうのかという気持ちになりました。

そして、ミアの宝探しで2人は
今まで辿ってきた場所を巡ることに。

そして、「探し女」がミアに似ているという風にタイラが指摘しましたが、
やっぱりそういうことなんですかね?

そして、再びミアと一緒に例の観覧車に行くことに
何かを決意したミアがとても意味深でしたね……。


⑬最高の仲間と脱出の時
光のゲートが出来てますね。
本当にゲームみたいです。

最後の日、タイラは観覧車に何かを仕込んでいます。
これが最後の最後に回収されるんでしょうね……。

女の子たちでゲートを囲むシーンは
長くはない物語でしたが、メンバーの絆を感じる良いシーンでしたねぇ。
性格も違う人たちですがこうしてみんなで仲間を感じられるのはとても良いですねぇ。
Keyの中でもルーパーズというグループはかなり好きな部類になったと思います!

クロとカイを連れ出すために病院へ向かう男たち。
キャラ崩壊したサイモンが面白いですね。
知的クールキャラではありますが
こういう面白要素も兼ね備えているのが良いです。

サイモンを筆頭に順々に脱出していきますが、
レオナとヒルダが手を繋いで一緒に行くの良いですねぇ。
光景が目に浮かびます。
ミアが最後の方まで残ったところで嫌な予感が……。

ミアは時の渦に残ること、
時の渦はミアが元凶であること
ミアは明日がないことを告げ、
タイラの元を去ってしまいます。

タイラは必死に説得しようとしますが、
それでもミアを連れていくことはできませんでした。
まあもう猶予も無いので今更どうしようもできないんですよね。。。

タイラもタイラで1人だけだったらミアを追っていたと思うんですが、
車椅子で眠るカイを放ってはいけないですからね……。

ここの辺りからもう佳境って感じで
読み進む手が止まらなかったですね。

「おまじない」というワードが出てきて
最初の絵本が思い出されましたね。
ついにミアの本筋の話が始まるんだと思います。


⑭混乱する頭とこぼれ落ちた奇跡
他のメンバーはみんな帰ってきましたが、ミアだけはまだ時の渦に残った状態。

そして、ミアからの手紙で
「クライネ・レヴィン反復性昏睡症」という病気であることがわかります。
詳しくはわからないのですが
理樹のナルコレプシーの長いバージョンみたいな感じなんですかね。
しかも、これも実在する病気なんですね。
かなりレアな難病のようです。

ミアは病院で手術を受けていました。
ミアの身体は8月1日をループしているようなので
ミアの心と体はどうなっているのかの整理がとても大変でしたね……。
ここに書くのも大変なくらい面倒な状況になっているのは確かです。

ミアはステージ4で昏睡状態になっているのではなく
時の渦にいるせいではないかとサイモンが推理。やはり頼りになりますね。


⑮本当の願いと永遠の終わり
もう既に去ったルーパーズのみんなは最後の1日を繰り返しているんですね。
亡霊のようなものだとしても、
みんながいてくれるのはミアにとって救いですね。

ミアがいなくなりますが、
みんなは最後の1日の通りにゲートを通って消えてしまうのが悲しいですね。。。
そして、電源を入れたミアのスマホに通知がたくさん来て
みんなが心配していたことがわかるシーンとか
本当に胸が締め付けられましたね。

いくつかのループの先に
ミアはタイラに会って自分の置かれてる状況を全て説明します。

そして、2人は次のループになったときに
忘れていないことを示すために合言葉を考えます。


「タイラ、愛しています。」

「俺も愛してるぜ。」



(わたしはこの世界で1人じゃない。タイラと一緒にいつまでもいられるんだ……!!)

「で、これどういうこと? ドッキリ?」



愛してるを合言葉にしていた時点で何となくこうなるだろうというのは予想出来てましたが、
実際に見ると辛かったですね。

みんなはもう去ってしまった後なので
タイラが記憶を持ち越せるわけもなく……。
一度期待してしまったからこそ、その希望を叩き折られて
よりミアは苦しむことになってしまいました。

そして、ミアはこの世界は間違っていた
タイラの言っていたことが正しかったと気が付きます。
これが「探し女」の正体だったんですね。

ミアが世界を否定した後
世界が崩壊し始めます。
ついに物語もクライマックスって感じですね!


⑯おまじないと恐竜消しゴム
タイラたちはおまじないを解けば良いという発想になり、
ミアの母親からおまじないの詳細を聞くことで、
物語冒頭の恐竜消しゴムを探し出すことが
おまじないを解くことになると気が付きます。
ここで、最初の絵本の伏線と恐竜消しゴムの伏線が回収されるのは熱いですねぇ。

ミアは観覧車に行きタイラからの手紙を見つけます。
それはタイラからのミアへの告白でした。
これも立て続けに、伏線回収ですね。
ミアは諦めずに未来を生きることを決意します。
ここの辺りから最後までずっと感動シーンの連続ですね。

時の幻でルーパーズのみんながミアの周りに現れるのも熱かったですねぇ。
色も音も動きもなくなった世界で
みんなの姿だけが動き出すのはそれだけで
ミアに勇気を与えてくれました。

ミアを連れ戻すために頑張ろうとするルーパーズのみんなが良かったですねぇ。
こういう友情系の物語には弱いです。
テーマソングが流れる演出もズルいです!

膨大な量を探索するためにカイとクロも復活し、
ルーパーズ総出で恐竜消しゴム探しに奔走します。
友人や配信の視聴者も筋トレ仲間もジオハンターズもみんなを巻き込んで、
こういう全員で何かをするシーンは大好きなんですよねぇ。
しかもクライマックスでみんなが今までのシナリオの経験を活かして
力を合わせて何かを成し遂げようとするのが特に最高です。


⑰本当の宝物
タイラがサイモンと通話するシーンすごく好きです。
今まで頼もしかったサイモンがこうして最後の最後まで力を貸してくれるのは
本当に胸が熱くなりますね。

大切な気持ちは一度、二人の手が離れなければ得られない
とてもとても大切なものなのだ と言うシーンは良かったですねぇ。

ミアもこの公園に来て
タイラとミアが背中合わせて話すシーン。
しかし、時の渦の世界は崩れ落ちて消え去ってしまいます。

そして、ついにタイラが恐竜消しゴムを見つけ、
ミアと再会をします。
この抱き合うCGは事前に公開されてましたが
「ここで使うのかぁー」と感嘆しましたね。
ここで流れる挿入歌が最高なんですよねぇ。
今もこれを聞きながら感想書いてます。

タイラがミアの病室で
ミアのことを諦めないと誓ってこの物語はエンディングを迎えます。



エンディング後、ミアが目を覚まし
ルーパーズのみんなに歓迎され、
タイラと再会してハッピーエンド!
おつかれさまでした!!!





ここで終わっていれば「ふつうに良い作品」で終わっていたんですが……

最後のCGではミアの隣に
ハートのブローチと恐竜消しゴムが置かれているんですが
ミアは眠っているんですよね。

これを見て、「ん?」と思ったプレイヤーも多いと思います。

だってあれほど、ミアを起こそうと頑張っていたはずなのに
最後のCGがミアが眠っているのってオカシクナイデスカ?


そこで生まれる可能性が
「エンディング後の
 ミアが目覚めてタイラに再会するシーンは夢の中説」です
つまり、エピローグは夢落ちで
本当のミアはまだ目を覚ましていないということです。

ずいぶん唐突で突拍子もないような説に感じますが
最後のCGに説明がつくのがこの説なんですよね。


ただ、それでバッドエンドになったというわけではないと思っていて
タイラが言った通り、宝探しは探すことにも価値があるんです。

たとえみんなで頑張った結果、ミアが目覚めなかったとしても、
ミアを目覚めさせようとみんなが頑張っていること自体に価値があるので
バッドエンドではないという解釈もできると思います。

未来を生きることを一度は諦めたミアが
タイラのいる世界じゃないと意味がない。
タイラと一緒の未来を生きたいと願い、
タイラもそのミアと一生一緒に生きていくことを誓ったんです。

その誓いこそが大事であり、
実際に二人が一緒に生きていくかどうかはもはや問題ではないんですよね。




最後になりますが、
LOOPERSは「宝探し」というテーマを最初から最後まで貫いていてとても良かったです。

作中で行っていた宝探し以外にも、
タイラにとってはミアが宝ですし、
ミアにとってはタイラが宝で、
未来こそが宝という捉え方もできますしね。

竜騎士07先生が「リトバスを意識した」というのを言っていましたが
リトバスらしい友情物語が描けていて良かったと思います。
みんなで協力して1つのことに対して頑張るというのがとても良かったです

LOOPERSの肝であるループと言う設定も良かったですね。
ループの楽しさ、苦しみが描けていたと思います。
それに、ループする世界だけではなくループが終わった後の世界も描いているのが良かったです。